生きる

10年以上患ったうつ病が寛解してなんとか生きてます

飼っている猫たちまでが厄介な事態である

2年ほど前から私は一匹の保護猫を引き取って飼っている。

とても警戒心が強く臆病で、触れられるようになるまでかなりの月日を要した。

いまだに私以外の人間には触らせないのだが、

警戒しながらも娘には撫でられていた。

弟にも一度だけ触らせていたな。

母には触らせないけど、少し前までは少し離れておやつを食べてとっとと去る、くらいにはなってた。

ある日そんなふうにこの猫が一階のキッチンにいる時に、

母がけっこうな剣幕で父親への文句を私にぶちまけていた。

よくあることなので、私は適当に聞いていた。

父が相当酷いのはわかるけど、母もかなり酷いってことがわかってからは

ただ聞き流すだけになった。

すると、猫が、母親に向って威嚇して鳴いた。母が私をいじめていると思ったらしい。

そして、それ以来、一階の部屋には一切入らなくなった。

 

この猫は一ヶ月間室内飼いしていたのだが、

私のうっかりミスと母の意地の悪さ(今だからわかる)が重なり、

外へ逃げてしまった。

必死で探して数週間後に見つけ出し、野良猫に餌付けをするようなやり方で、

半年くらいかけてやっと、家の中に入ってくるまでになった。

それからは外に出して飼っている。

 

ちなみにその、夜のうちにどうやら外に逃げたのだとわかった時、

「あ、じゃあ、猫、逃げちゃったんだ・・・・・・・」

と私がいうと、

一瞬(いい気味)という感じで母が笑ったのを私は見逃さなかった。

それでもまだ、(まさか喜んでるとかないよね・・・・)と、私の中では保留にしてた。

でも、やっぱり、わざと猫が逃げられる可能性のある状態を作り、本当にそうなったことを喜んでいたんだ。

自分のせいにならないような嫌らしいやり方で。

 

そして、たまたま弟の家の中で野良猫が子供を産んでしまうということがあって、

そのうちの2匹を母が引き取ると言いだした。

「でもなあ、Aちゃん(私の猫)がなあ・・・・まあ、無理そうだったら戻すからね」

母は、「大丈夫よ、子猫が来たら母性が出てきてかわいがるわよ」とか、何の根拠があってそんなふうに断言するんだろうか。

この時は(自分の都合のいいことばかり妄想してバカなんじゃないの)と思ってたけど、今となると、本当にそれだけなんだろうかという疑問も湧く。

自分に懐いてくれないAちゃんへの嫌がらせ的な意味だってあったんじゃないだろうか・・・・まあ、もうどうでもいいけど。どんなに酷いことを考えていたとしてももう驚かない。

母の言うことに反論すると面倒なので弟だけに聞こえるように言った。

「私は、あんまり期待してない・・・。」

 

この時に、「臆病なAちゃんが嫌がるから止めて」ってはっきりと拒否できていれば・・・・・いや、無理だわ。そんなこと言ったところで、母は自分を通しただろう。

 

子猫が2匹やって来て、お互いに警戒し合うが、居住スペースがゆるくだけど別れているし、子猫たちの方は徐々に警戒心よりも好奇心のほうが勝るようになり、Aちゃんは変わらず警戒モードだけど、そもそも臆病なのでわざわざ近寄っていじめるようなことはしないので、まあ、なんとかなるかなあ・・・・・と。

それに、子猫たちが可愛すぎて、2~3日でもう、戻すことなんて考えられなくなっちゃってたし。気を使いながらなんとか撫でられるAちゃんだけではいまひとつ寂しいのもあって、人懐こい子猫たちがやって来たことが嬉しかった。

 

家では何度か猫を飼っているけど雄猫は初めて。こんなに違うか?っていうくらいやんちゃだ。そのやんちゃっぷりもまた、おもしろくてかわいい。

なんだけど、母はそこが気に入らないらしい。

人だろうが猫だろうが、自分の思惑に合わないものは気に入らない人なんだな。最初のうちはなんとか躾けようとしてたけど、猫だからね、無理。

いたずらは凄いし、すごい勢いで走り回るし、どこでも登るし、構ってくれないと鳴き続けるし、けっこーたいへん。でもすっごくかわいい。

やがて母は、この猫たちが少し負担なようなことを言うようになった。

私は「子猫のうちだけだよこんな凄いのは。一年もしたらそれなりに静かになるよ。」と。

たったそれだけのことだと思うけど、自分が支配できないといちいちストレスになる人なのね。

で、こんなことを言う。

「もう本当に疲れるわ。Aちゃんと、この猫たちと交換したいわ。」

は?何言っちゃってんの?酷くない?こんなにかわいいのに。

そんなにも支配することが重要なんだ。動物が好きな人だと思ってたけど、対象を思い通りにすることが好きなだけだったのかあ・・・・・。

 

そして、私がAちゃんを飼い始めてからもずっと「あなたの飼い方はよくない」攻撃があったけど、この2匹が来てから「ほらね、あなたのは違うでしょ?私が飼うとこんなにいい猫になるのよ」を仄めかす嫌味まで加わって、さらに、子猫可愛さに私もつい、一階に行く回数が多くなり、なんだかんだでかなりのストレスになった・・・・・。

 

もう、何をするのにも、私を否定するのが目的になるのね。

まあね、いるよね、こういう女はいくらでも。

母親じゃなくてただの嫌な女だって、やっとわかったからさ。 

 

父は猫が嫌いである。なので、父のいるリビングと一階の寝室は猫の出入りは禁止。猫たちのやんちゃっぷりは日増しにすごくなり、ダイニングキッチンと廊下だけでは保たなくなった。2階には来させないように柵を置いていたが、飛び越えてしまい、結局、2階も開放せざるを得なくなってしまった。

さらに、猫たちはAちゃんに興味津々、全く警戒しない。私の部屋の前でにゃーにゃー鳴いたりもするので、Aちゃんは怯えている。玄関付近はほとんど子猫たちに占拠され、Aちゃんの出入り時には子猫たちをダイニングに閉じ込めてから誘導である。怖がってシャーシャー言いながら背を低くして忍び足、ササッと出入りする。たまに、玄関のタイルの色と同化している子猫が見えずにAちゃんを入れてしまい、子猫がAちゃんを追いかけてパニックになったり・・・・。

ごめんねごめんね、ほんと、ゴメン、Aちゃん。。。。

 

私には縄張りをどんどん侵略されるAちゃんが気の毒でならないのだが、

そんな思いやりを持ち合わせない(私の猫のことなんかどうでもいい)母の嫌味が半端ない。わたしのやることなすことを、ねっちりとけなしてくる。

娘のときと同じく「そんなに守ってばかりいたら・・・」とかそういう感じ。「私のやり方に文句言うの止めて」と言っているのに、なにかにつけて「もっと自然にしないとねえ」とかなんだかんだ聞えよがしに言ったりするのでほんとやな感じ。

「だから!怖がってるんだってば!」とか度々キレぎみに言うと、「またあなたはそうやって大きな声を出して」とか、問題をすり替える。

今思えばほんとうにただの嫌がらせ行為。自分のやり方を押し付けるとかじゃなく、単に私を不愉快にさせたいだけなわけで、完全にヤツの思うつぼにハマる私だったんだ。

それだけでないのが奴の嫌らしさだ。「この子達のせいでごめんね」とか、心のこもらないセリフをしらじらしく何度も何度も言う。そう言っていれば自分が悪者にはなるまいという見え見えの魂胆。こいつのやり口はいつもこれである。

いちいちムカついていたけど、もうどうでもいいわ。ほんと、嫌な女だよ。

 

自分を侵略される気持ちに感情移入しちゃうもので、Aちゃんが不憫でならない。

Aちゃんの居場所が私の部屋だけになってしまった。二階の他の二部屋も、階段も、廊下も、玄関も、室内飼いで丸一日家に居る子猫たちの縄張りになってしまった。

 

この猛暑で冷房の部屋のほうが楽だろうに、どんどん家に居る時間が短くなり、腹が減るまで帰らなくなった。猫たちが騒いでいるタイミングだと出入りしにくいわけで、一度家に入ると出るタイミングが難しく、もうそれも面倒と割り切ってしまったのか、一度も帰らない日が多くなってしまっている。

それでも、夜に庭へ出てAちゃんを呼ぶと、近くまで駆け寄ってくるのだ。しばらくゴロゴロと寝転がったりしているので、「ごはんたべよ~」と言うと反応するんだけど、家の中へ入ろうとしない、というのが2日続いた・・・・・・それで私、今日はかなり凹んでいるんである・・・・・・・・・。

 

家の中の居心地が最悪で追い詰められて、でもお腹が空いたら仕方なく・・・・・なんて、なんだよもう、私の現状そのまんまじゃないか・・・・・・・・。

「仲良くできればいいのに」なんて、言うのは簡単だ。

奪われた側の気持ちはそんなに簡単にはいかないというのは、Aちゃんも私も同じ。

ただ、子猫たちに邪心はないが、母は邪心の塊である。

 

まあ、今晩はさすがに戻るだろう。二階がある程度Aちゃんの自由になるように工夫しておこう。柵を飛び越えるのなら、衝立と柵と、両方で境界を作ろう。もう少し高めの柵の購入も検討しよう。このままじゃいけない。

 

なんでこんなに象徴的な事態になってるんだろう?

私も今、母親との間の境界の強化に努めている状態なのである。